ここでは、ダイエットに励む皆さんを誘惑する、さまざまな偽りを紹介・検証します。すでにダイエットの科学的な知識をマスターしたあなたは、もうだまされたり、心躍らされることはないはず。それでも悪魔の誘惑に心が揺れたときは、ぜひ、目をとおしてください。
確かに腹筋運動は腹部の筋力アップや引き締め効果があります。筋力トレーニングはダイエット中も筋肉量を維持、または増やせるため、基礎代謝のアップに効果的。結果、安静時もエネルギー の消費量が大きくなり、ダイエットに役立ちます。ただし、「腹筋運動=腹部周囲の体脂肪を落とせる」という認識は誤解。体脂肪は運動した部分だけが落ちるのではなく、全体的に少しづつ減っていくもの。ウエストを細くしたい、顔を小さくしたいという気持ちはわかりますが、食事制限や日常での運動量を増やすことなく部分的な筋トレに終始しても、期待するほどの効果は出ません。やはり体全体にアプローチするプログラムをあわせて続けることが大切。部分的にやせるのは体全体がやせた結果、なのです。
りんご、納豆、キャベツ、ゆで卵……。いつの時代も単品ダイエットは大流行。特定のものを集中的に食べてやせる方法は、わかりやすく手軽なので、受け入れやすいのもわかります。しかし、甘〜い誘惑の裏には危険な落とし穴が。その問題点について考えましょう。
アトキンスダイエット、低インスリンダイエット、ゾーンダイエットなど、さまざまな呼び名で紹介されてきた「低炭水化物ダイエット」。ハリウッドセレブも実践する方法としてメディアで紹介されていますが、医学的には確たる効果は立証されず、疑問を抱く声も……
このように世界の医学界では、低炭水化物ダイエットが効果的という考えは主流ではありません。ご飯は脳を働かせる栄養のもと。極端に控えると仕事や勉強の能率も下がります。炭水化物の比率にばかりこだわらず、まずは食事全体のバランスや摂取カロリーを下げることが大切です。
何とも魅力的な言葉ですが、皮膚の表面から吸収され、皮下組織にある脂肪組織を燃やして体重を減らすジェルやクリームは存在しません。減量の効果があったとしても、汗などで一時的に体外へ水分を排出しただけ。実際には脂肪を燃やしているわけではないのです。
よく広告で見かける言葉ですが本当でしょうか?本当のダイエット=体脂肪を減らすこと。
1kg の体脂肪を減らすには7,200kcal 必要です。9日間、1日1,500kcal の食事を絶っても−13,500kcal。体脂肪に換算すると−1.88kgです。悪魔のささやきであるのは明らか、ですよね。